先日、芸能人の「乳がん」の公表があり話題となりました。

改めて、乳がんの恐ろしさや乳がん検診の重要性を再認識された方は多いと思います。

 

生涯に乳がんを患う日本人女性は、現在、12人に1人と言われています。

また、2014年の乳がんによる死亡数(女性)は13,240人で、1980年と比べて約3倍にもなっています。

欧米などでは、検診受診率の向上により早期発見が増え、死亡率が年々減っていますが、

その一方で、日本の乳がん検診受診率は30-40%と低いため、年々死亡率は増加傾向にあります。

*国立がん研究センターがん対策情報センターの統計より

 

乳がんは早期発見すれば治癒率が高いがんなので、検診を受けることが国の指針で勧められています。

しかし、豊胸をしたことがない方でもあまり受診されてないばかりか、

豊胸をした方の多くは、検診を受けたことがない(受けたくても受けれない)のが現状です。

 

「豊胸手術をすると乳がんになりやすいですか?」というご相談を受けることがあります。

豊胸と乳がんとの間に因果関係はありませんが、豊胸手術の種類とそのリスクについて簡単に説明します。

 

【シリコンバッグ豊胸】

国内外を含め広く普及している方法で、大きさ重視の方にお勧めの豊胸術です。デメリットとしては、挿入するための傷が残るのと、痛みや神経障害が続く場合があります。また、異物反応による被膜が必ず形成され、長期的には徐々にカプセル拘縮や石灰化が強くなり、取り出しや入れ替えが必要になってきます。被膜形成や石灰化が乳がんのリスクを上げるものではありませんが、検診を断られるケースも多いようです。理由はマンモグラフィでバッグを破損するリスクがあることと、石灰化が強いとエコー検査ができないからです。

フランスで販売されていたPIPというシリコンバッグは、工業用の安価なシリコンを使用し発癌性があると判断され、販売中止と取り出すように勧告が出されました。

 

【ヒアルロン酸豊胸】

プチ豊胸などとも呼ばれる施術です。手軽さはありますが、大きなサイズアップは難しく、持続期間も短いという特徴があります。比較的安全なイメージをお持ちの方が多いと思いますが、ヒアルロン酸も異物なので、シリコンバッグと同様に被膜形成や石灰化を起こしたり、しこりになったりします。同様に検診を断れることがあるようです。これまでの豊胸用のヒアルロン酸は乳ガンとの関連はありませんが、最近発売されたアクアフィリングという長期間持続性ヒアルロン酸の中に、一部アクアミドに似た構造の成分が含まれており、人体への影響(発癌性)を疑問視する医師も多いです。

 

【脂肪注入豊胸】

以前はしこりや石灰化、吸収などのデメリットがあり一時期下火になっていましたが、最近では、コンデンスリッチ(CRF)豊胸やセリューション豊胸など、採取した脂肪を加工する技術が普及してきたことと、コールマンテクニックなどの注入方法の工夫などで、そのリスクを限りなく減らせることが分かってきました。一部の大学病院や総合病院では、脂肪を用いた乳房再建が積極的に行われるようになっており、今最も注目されている豊胸術です。さらに、脂肪注入と乳ガンには全く因果関係がない事も論文で発表されており、安全な豊胸術と言えます。しこりや石灰化などのリスクも少ないため、検診も問題なく受ける事ができますし、マンモグラフィやエコー検査、MRIなども安心して受けていただくことができます。

しかし、クリニックによって脂肪の加工方法や脂肪注入技術に差がありますので、きちんとしたクリニックを選んでいただくことが大事です。